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2023-10-15 東京チェスフェスティバル 2023 Rapid Sunday

前書き

東京チェスフェスティバル 2023 Rapid Sunday に参加してきました。 2 日間の大会に並行して 1 日の大会を 2 回行うという、日本チェス連盟初の試みだったようです。 さすがに社会人としては 2 日間チェス漬けというのは難しいので、こういう選択肢が出てくるのはありがたいところです。 ということでラピッド大会の方に参加しました。 今回も持ち時間 5 分切るまでは棋譜を書いていたので、それを交えて忘れないうちに自戦記を書いておきます。

結果を先に書きますが 2 勝 3 敗でした。 2 勝できたので戦績としてはまずまずなのですが、レーティングが下の方に 3 敗1し UR の方に 2 勝した2のでこれは相当レーティングが下がりそうです。 それにしてもいきなり 2 敗した時はさすがに凹み、地球上で最もチェスが弱い生命体が今誕生したと思いました。 全敗して捨て台詞を吐いて引退する未来すら見えましたが、そうはならなかったようです。

1R: オーウェン・ディフェンス

初戦は恐らく 8 歳くらいの小さな男の子でした。 ダブル・フィアンケットに組んできたのでセンター・ポーンをうまく掠め取ってくる作戦かと思って警戒していたのですが、そうはならなかったようです。 17... e4?? とクイーン取りのスレットがかかっているのにポーンを突いてくるのに驚いたのですが、そこは落ち着いて 18. Nxe4?? と払っておきました。 実はここで先にクイーンを取っておけば 18. Rxd8 exf3 19. Rexe8+ で勝ちで、チャンスを逃していきました。 しかしその後もクイーンを逃げなかったのでクイーンを取ってエクスチェンジ・アップしましたが、バックランク・メイトがあるため 20. Rxe4 とできず、そのため一旦 20. h3?? と受けました。 ここも実はチャンスを逃しているようで、もっと積極的にいっていればよかったところでした。 Stockfish に聞いてみるとクイーンを取ったにも関わらず若干白良しくらいの評価値です。

ここで 5 分切ってしまったのでここまでしか棋譜は残せていませんが、この後ビショップとルークで見事なメイト・スレットをかけられてしまいクイーンを捨てざるを得なくなりました。 そして最終的にビショップ損になってツークツワンク局面にうまく持ち込まれました。 その後ビショップで手待ちされてなすすべがなく、負けました。 しかし本当に驚いたのはここからで、500 レート以上のアップセットという快挙な上にまだ幼い年齢なのにも関わらず特に喜んだ表情も見せずに e ポーンを突いたのが悪かったのかな とクイーンを取られて劣勢に陥った部分を聞いてきたり、試合後にピースを元通りに並べなくて良いのかと聞いてきたりしたところがすごいと思いました。 私がこのくらいの歳の時、絶対にこんなふうに振る舞うことはできなかったでしょう。 そして私はというと、話しかけてきたところを普通に応対してしまったので静かにするようにアービターの方に注意を受けました。 全くお恥ずかしい限りです。

2R: アレヒン・ディフェンス

この試合は 9... Qxg2?????????????? という大・大・大ブランダーですべて決まってしまった、といえるでしょう。 10. Bxg4+ がチェックになるのが完全に読み抜けていました。 その後も粘ったのですが、特に盛り返すこともなくそのまま負けました。

3R: フィリドール・ディフェンス

公式戦でフィリドール・ディフェンスというのは多分初めてで、日本のプレイヤーでこれを指すのは珍しいなと思いました。 ともかくネットチェスでそこそこ遭遇するので対処はそれなりに知っています。 16. Qf5 などといったようにメイト・スレットをちらつかせ、相手の陣形に不備を作ってそこを攻撃する形でやっていきました。 棋譜はここまでしか残っていませんが、確かこの後ルークを取ってエクスチェンジ・アップ、そのあとエンドゲームまでもつれ込みましたが時間切迫の中何とかピースを取っていって勝ちました。

4R: アレヒン・ディフェンス

この方はちょっと覚えているのですが 2, 3 年前に初級者向け大会で当たって負けた方です。 時間切迫してからが一番面白かったのでそこが残っていないのが残念ですが、ともかくこの後私がピースを落としましたがその代わり相手のポーンを複数個掠め取り、難しいエンドゲームに突入しました。 そこで私が相手のアンパッサンを期待して ... b5?? とポーンを強く突いた手がブランダーで、うまくツークツワンクを利用してポーンを落とされ、負けてしまいました。 試合後小笠さんに あそこは b6 だったね と言われて咄嗟に「いやー時間がなくて……」と返したのですが、強い人だったら時間が無くても逃さない内容なのは間違いありません。 要するに実力不足でした。

5R: フレンチ・ディフェンス

OTB におけるアレヒン・ディフェンスの勝率が悪すぎるので、最後はフレンチ・ディフェンスに変えました。 エクスチェンジ・バリエーションにされましたが、フレンチ専門ではない私にとってこちらのほうがありがたく、フレンチにして良かったと思いました。 12... Qb6 はちょっと考えましたが b2 と d4 のポーンが受けにくく相手を迷わせる手で、勝ちに結びついた手だと思いました。 棋譜が短いですが、これは 14 手目あたりで多分クイーンのピンを利用して Bh6 とメイト・スレットをかけてくるなと思っていたのでその対処を考えていたら 5 分くらい使ってしまい、すぐに時間切迫に陥ってしまったからです。 Nh5 で受けることばかり考えていたのですが、ここでは Bf8! が盤石でした。 それも相手が気づいていたかは分かりませんが Bh6 は指してこず、時間だけ無駄に使ってしまったと愕然としました。

ですがこの後お互いクイーンとビショップ以外の駒をすべてエクスチェンジした後私のビショップのほうが働きが強く、時間切迫したというのもありますがうまく相手のビショップを落とせました。 その後相手の方が私のポーンを掴んでクイーンで取ろうと考えていましたが掴んだ瞬間気づいて引っ込めようとしたので 「タッチ・アンド・ムーブです……」と小声で言って咎め、クイーンで取ってきたところをクイーンで取り返し勝ちとなりました。 タッチ・アンド・ムーブを公式戦で指摘したのは初めてでつい咄嗟に言葉が出てしまったのですが、よくよく考えればこういうのは当事者で片付けずちゃんとアービターを呼ぶべきだったように思いました。


  1. しかも 500 以上レートが違う方に 1 敗したので相当大きい 

  2. UR (アンレート: レーティングがまだついていない方) に対しては勝っても負けてもレーティング変動はない 

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